ROG Xbox Allyは8月にドイツで行われたGamescom 2025で展示されて以来、世界中で大きな注目を集めています。日本でも2025年9月18日に報道関係者向けに、「ROG Xbox Ally シリーズ」のポータブルゲーム機新製品メディア向け内覧会を開催し、さらに9月25日から開催された東京ゲームショウ2025は、日本のゲーマーの皆さんに、実機を直接体験いただく初の機会となりました。この記事ではこの二つのイベントについてご紹介しています。
2025年9月18日に報道関係者向けに、「ROG Xbox Ally シリーズ」のポータブルゲーム機新製品メディア向け内覧会を開催しました。多くの来場者の皆様へ新製品のポイントを紹介するとともに、新製品の実機を直接体験いただきました。
【ASUSのビジョンとROG Allyの成果】
イベントの冒頭、ASUS JAPAN システムビジネスグループコンシューマービジネス事業部 統括部長 David Chuが挨拶を行い、ASUSの根幹にあるビジョンである「全ては人から始まる(Start with people)」を紹介しました。ASUSは、自分たち自身が心から使いたいと思い、家族や友人にも勧められる製品作りを目指しており、この思想はROG製品開発にも適用されています。ゲーミングを楽しむすべての人に体験と感動を届けることを目標とし、リーダーシップを拡大し続け、ゲーミング市場でナンバーワンの地位を確立することがビジョンであると述べました。
このビジョンに基づき、2023年にポータブルゲーム機「ROG Ally」を日本市場に投入。約5年の開発期間を経て発売されたROG Allyは、「全てのゲームを手のひらに(#playAllyourgames)」をコンセプトとし、AAAゲームタイトルからカジュアルゲームまでを、より手軽に楽しめるように設計されています。このデバイスは、主に三つの使用スタイルを想定して導入されました。一つ目は、自分だけの専用ゲーム機として使用するパーソナルタイム(ME TIME)、二つ目は、家族や友人とのリビングでの利用を想定したパーティータイム(WE TIME)、そして三つ目は、外付けGPUを接続し、デスクトップゲーミングPCとして使用するプロタイム(PRO TIME)です。
様々なプラットフォームのゲームタイトルを1台でまとめて遊べる点が大きな特徴となり、多くの日本のユーザーに受け入れられ、「ROG Allyは2023年の発売以来、販売パートナーから全面的に支持され、日本においてナンバーワンのWindowsハンドヘルドPCの地位を確立しています」とDavidは説明しました。
さらにユーザー数の増加に伴い、ASUSはROG Allyに関する多くの意見やフィードバックがあり、ユーザーが感じていた課題を改善し、さらに快適なゲーム体験を提供するために、2024年に改良モデルの「ROG Ally X」を発売。このROG Ally Xでは、AAAゲームタイトルをよりスムーズにプレイできるようにメモリが24GBに強化され、駆動時間を伸ばすため80Wの大容量バッテリーが搭載されています。さらに、ユーザーからのフィードバックに基づき、ジョイスティックやDパッドの位置を最適化するなど、様々なアップグレードが行われ、ポータブルゲーミングデバイス市場で強い存在感を確立しています。
【Xboxとの戦略的協業と新モデル構成】
2025年、ポータブルゲーミングデバイス市場のさらなる拡大に向け、ASUS ROGはMicrosoft Xboxと新たなパートナーシップを締結しました。この協業は、ROG Ally本体のハードウェア設計から、WindowsおよびXboxアプリのUIに至るまで緊密に連携しながら共同開発を進めてきたものです。
新製品の詳細については、ASUS JAPAN システムビジネスグループ マーケティング部 広報マネージャーの藤原拓馬が登壇しプレゼンしました。藤原はこれまでのROG Allyシリーズは世代ごとに一つのスペックのみの発表でしたが、Xboxとの共同開発にあたり、ゲームプレイに求めるユーザー像を調査した結果、「スペックを求めるユーザー(AAAゲームタイトルなど)」と「それほど高いスペックを求めていないカジュアルゲームをプレイしたいユーザー」の主に二つの利用層があることが判明したと説明。
これに基づき、新しい「ROG Xbox Ally シリーズ」は以下の二つのモデル体制で展開。一つは、AAAゲームタイトルやより多くのゲームをプレイしたい方向けのプレミアムモデル「ROG Xbox Ally X」です。もう一つは、超電力性に優れ、カジュアルゲームに最適な「ROG Xbox Ally」のスタンダードモデルです。
ポータブル機に最適化されたAMD Ryzen Z2 シリーズ プロセッサ
新しいROG Xbox Ally シリーズを支えるのは、ポータブル機に最適化されたAMD Ryzen™ Z2 シリーズ プロセッサです。日本AMD 代表取締役副社長の関路子氏(アジアパシフィック クライアント ビジネス ディレクター兼任)は、ポータブルゲームの世界ではこれまでユーザーがパフォーマンスとバッテリー寿命のバランスを考慮する必要があったが、今回の製品では、AMD Ryzen Z2 プロセッサによって、高いパフォーマンスと長時間のバッテリー駆動、さらに軽量化を実現できるよう設計されていると述べました。
ROG Xbox Ally Xには、NPU 50 TOPS(最大)のAI性能を備えたAMD Ryzen™ AI Z2 Extreme プロセッサが搭載されています。グラフィックスには、高性能なRDNA 3.5アーキテクチャを採用した16基のGPUコアが搭載されており、ポータブルフォームファクターにおいてAAAゲーム体験に必要なグラフィックス性能を発揮できるよう設計されています。CPUは、AMD Zen 5コアを採用し、8コア/16スレッドの構成です。TDPは15Wから35Wに設定可能であり、多くのプレミアムノートPCで採用されているモバイル仕様と同等性能を支えられるプロセッサです。内蔵されたNPUは最大50 TOPSの性能を誇り、Ryzen AIプロセッサ製品ポートフォリオの中で、最も高性能なNPUとして、Copilot+ PC機能をサポートするよう設計されています。
一方、ROG Xbox Allyには、ポータブル機における電力効率を最適化したAMD Ryzen Z2 A プロセッサが搭載されています。こちらはRDNA 2アーキテクチャに基づく8基のグラフィックスコアを備え、CPUは4つのコアと8スレッドの構成です。約6Wという低TDPによって、長時間のバッテリー駆動、小型設計、そして軽量化を実現しています。AMD Ryzen Z2 Aに採用されているコアは、他のポータブルデバイスでも実績あるアーキテクチャに基づいており、安定性と電力効率の両面で信頼できるものです。
ROG Xbox Ally Xにおいて、性能面では小電力設定のサイレントモードにした際のゲームパフォーマンスが、前世代のROG Ally Xをパフォーマンスモードに設定した際と同等であるという結果が出ています。これにより、電源を接続していない外出先でもパフォーマンスを落とすことなくゲームをプレイすることが可能となりました。
【ROG Xbox Allyシリーズ開発者による開発ストーリーの紹介】
続いて登壇した、ASUSTek Computer Inc ROG製品プロダクトマネジメントディレクター を務めるGabriel Mengは、Windowsハンドヘルド市場の成長と注目度の高まりについて言及し、ROG Allyシリーズに対するコミュニティからの期待と熱意に感謝の意を述べました。
さらにGabrielは、 2025年のROG Xbox Allyシリーズにおいては、体験の全体的な改良を目標に掲げ、ユーザーがデバイスを手にし、電源を入れる「最初の瞬間」からゲームに集中できる環境を追求。バッテリー寿命、UI/UXの柔軟性、カスタマイズの自由度を最適化する必要があるとし、特にMicrosoft Xboxとの協業を通じて、ゲームパッドナビゲーションのエコシステムを構築すると説明しました。
「Windowsの制約を最小限にしつつ、コンソールのようなフルスクリーンのフレームワークをシームレスに実現することで、いつでもどこでもコンソールの体験ができるようなものを作り上げたいと」、今後の展望を締めくくりました。
【デザインの融合と進化したユーザーエクスペリエンス】
デザイン面では、ROG Allyシリーズで重視されてきた人間工学に基づいた持ちやすさに、Xboxコントローラーのデザインが融合されました。これは、コンソールゲーム機やPCゲームで慣れ親しんだXboxコントローラーの操作感をROG Ally本体に統合することで、手に取った瞬間に「いつものプレイ感覚」を感じられるように設計されています。長時間使用しても疲れにくいデザインであり、ROG Xbox Ally Xにはより没入感のあるゲーム体験のためにインパルストリガーも搭載されています。
ROGの冷却技術であるROG Intelligent Cooling Systemが採用されており、ゼログラビティ技術により、どの角度でプレイしても冷却能力を損なうことなく効率よく本体を冷却することができます。また、内部への塵や埃の侵入を防ぐROG ダストフィルターも搭載されています。
ディスプレイは、リフレッシュレート120Hz対応の7インチ フル HDディスプレイを搭載。また、ROG Xbox Ally Xには、より高速なデータ転送が可能なUSB 4が搭載されており、充電しながら別の周辺機器を接続するなど、様々な活用方法が可能になっています。
ソフトウェア面では、デバイスの電源を入れる最初の瞬間からゲーマー体験を考慮し、バッテリー寿命、UI/UXの柔軟性、アクセス性など全てが最適化されました。Xboxのシニアプロダクトマネージャーリードであるドミニク・ゴードン氏は、リビング以外でもどこでもXboxを楽しめるようにする「Xbox Anywhere」の発想から、ASUSとの協業に至ったと説明。開発の目標は、コンソールに着想を得た体験をハンドヘルドでも実現することと、ゲーム向けにWindowsを最適化することでした。
ROG Xbox Ally シリーズを起動させると、Xboxフルスクリーンエクスペリエンスが立ち上がり、まるでXboxコンソール機を起動したような操作感をすぐに得られます。これにより、ゲーム起動までの時間を短縮できるだけでなく、フルスクリーンエクスペリエンスが優先されるため、Windowsでゲームに不要な処理やコンポーネントはロードされず、そのリソースはゲームに回されます。これにより、約2GBのメモリ削減と効率化が図れると考えられています。
特に操作性の改善として、シームレスなマルチタスク操作が実現されました。ゲーム中にXboxボタンを長押しすると、専用にカスタマイズされたXbox UI(タスクスイッチ)が表示され、ゲームパッドを使用して、起動中のゲームとバックグラウンドで動作しているアプリなどをスムーズに切り替えることが可能になりました。
さらに、複数のストアで購入したゲームもハンドヘルド上の一つのゲームライブラリで管理できる、Xboxの「統合されたライブラリ」機能が導入されています。
【周辺機器も充実】
専用アクセサリーも充実しています。専用ケース「ROG Xbox Ally 2-in-1 プレミアムケース」は、本体保護だけでなく、ACアダプタやSDカードの収納スペース、スタンド機能も持ちます。背面のガジェットポーチは取り外しが可能で、単体でも使用できます。
また、デスクトップスタイルでの利用に最適な周辺機器として「ROG Bulwark Dock DG300」が用意されています。これは、本体をスタンドとして使用しながら、背面にあるUSB Type-AおよびUSB Type-C、有線LANポート、HDMIポートを利用できるもので、従来のROG AllyおよびROG Ally Xでも使用可能です。
【東京ゲームショウ2025でROG Xbox Allyをお披露目】
新製品発表会はプレス向けでしたが、一般のユーザーにもお披露目する機会として、東京ゲームショウ2025にもROGブースとして出展(一般公開日9月27日・28日)。ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xをそれぞれ20台ずつ(合計40台)展示。ROG Xbox Allyシリーズの展示はアジアでは初公開ということもあり、国内外からの多くの来場者がROG Xbox Allyシリーズを実際に手に取って、様々なゲームを試遊して楽しんでいました。
現地ブースにて、来場者にROG Xbox Allyシリーズを紹介していた、ASUS JAPAN システムビジネスグループ コンシューマービジネス事業部 ゲーミングノートPC プロダクトマネージャーYvonne Changは「ROGブースにたくさんのお客様にお越しいただき、ROG製品の魅力や特長を対面で実機を使ってご紹介することができて、とても良い機会となりました」とのこと。さらに「今回のROG Xbox AllyシリーズはCPU性能、持ちやすいグリップ、Xboxフルスクリーンエクスペリエンスの追加など、他にも様々な性能がアップデートしております。今回の最新モデルをきっかけにROG Allyシリーズにご興味を持っていただいたお客様だけではなく、これまでROG Allyシリーズで遊んでいただいていたお客様にもROG Xbox Allyシリーズの魅力をご体験いただくことができてとても嬉しかったです」と話していました。
また説明会でもプレゼンを行ったASUS JAPAN システムビジネスグループ マーケティング部 広報マネージャーの藤原拓馬は、「今年も東京ゲームショウ2025にROG(ASUS JAPAN)ブースを出展させていただくことができました。そして、多くにお客様にROG / ASUS TUF Gaming / ASUS Gamingなどのゲーミング製品を実際に手に取ってゲームを楽しんでいただく機会をご提供することができて大変嬉しく思います」と、やはり多くの来場者に、実際に体験してもらえたことに注目。
「ROG(ASUS JAPAN)ブースではASUSおよびROGブランドで展開している、ROG Phone 9シリーズ、ゲーミングノートPC、ゲーミングデスクトップPC、ゲーミングモニター、ゲーミングマウス、ゲーミングキーボードなど総数70製品以上製品を展示し、エントリースペックからハイエンドスペックまで様々なお客様のゲームスタイルに対応した製品を展示し、ご紹介することができました。展示したROG Xbox Allyシリーズにはゲーム会社様のご協力をいただき、未発売タイトルや先行展示タイトル、大人気タイトル含め、20タイトル以上展示することができました」とROG Xbox Allyシリーズだけでなく、充実したASUSのラインアップやゲームタイトルをアピール。
来場者からのフィードバックとしては、「とても握りやすい」「操作しやすい」「何よりも軽く感じる」といった、とてもポジティブな感想も多く、藤原は「我々としてもとてもうれしいお声が上がっておりました。多くのお客様にROG Xbox Allyシリーズだけではなく、他のASUS製品、ROG製品にもご興味持っていただくことができ、様々なラインナップをお見せしてご紹介することができてとても貴重な機会となりました。東京ゲームショウ2025のROG(ASUS JAPAN)ブース出展のためにご協力いただいた社内外の関係者の方々にはとても感謝しており、ご来場いただきましたたくさんのユーザー様にもとても感謝しております。これからもASUSはASUSおよびROGブランド含め、お客様の様々なニーズに合わせた製品を展開してまいりますので、これからもASUSおよびROGブランドをよろしくお願いいたします」と話しました。

























